廃城の月日ながれて雀鷹巣立つ

雀鷹(つみ)の巣立ちは7~8月頃。雀鷹は日本最小の猛禽類で、鳩くらいの大きさの鳥。近隣の公園や雑木林でもキィーキキキキキッとの特徴ある節回しの声から、その辺りに雀鷹が棲んでいることを知ることが多い。

掲句は、東京練馬区の石神井城址を散策しての作品。1477年、太田道灌に外城を攻め落とされた豪族・豊島泰経は、石神井城を捨てて敗走し、足取りは不明のままだという。その後は城として使われた形跡はなく、現在は内郭の空堀・土塁が石神井公園内に残るのみだ。その場に佇みながら、廃城として経過した五百余年の歳月を思った。空堀や土塁の跡の森には、その年も頻りに幼鳥らしい雀鷹の鳴き声がしていた。令和2年作。

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