「六月」はわが国が湿潤な温帯モンスーン気候にあることを最も実感させる月。降り続く雨の中で、草木の緑はしっとりと四囲に溶け込む。整然と植えられた田は、日に日に緑が濃くなって青田へと変貌していく。
掲句は北海道旅中の作品。実際の稲作の北限は北海道遠別町だというが、私が目にしたのは道央の植田だった。田植えが済んで半月ほど経った頃だろうか。淡い緑色の早苗が整然と風に靡くさまをバスの窓から目にしながら、「北限の田」という言葉が脳裡に浮かんできた。6月の北海道は、どこも初々しい初夏の緑に包まれていた。令和5年作。