白玉や母亡き月日水のごとし

「白玉」は、白玉粉で作る団子のことで、氷や冷水で冷やし、茹小豆に入れたりして食べる。夏を代表する和菓子として、江戸時代の頃から親しまれている。

掲句は眼前に置かれた白玉の涼やかな眺めや食感から、亡き母のことをふと思い起こしての作。母が急逝してから数年が経ち、その間コロナ禍などもあって生活や仕事の仕方が大分変化したのだが、母亡き後の止まることのない月日の流れに、淡々とではあるが物足りない思いを感じていた。『郭公』の井上主宰からは、「「水のごとし」との比喩に、母への遥かな思いが籠もる。」と鑑賞していただいた。令和5年作。

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