夏至(げし)は二十四節気の一つで陽暦6月21日頃。一年の中で、最も昼が長く夜が短い。実際には梅雨の最中であることが多く、からりとした晴天に恵まれることはあまりない。
掲句は夏至の夜、食前酒を口に含む至福の一瞬を詠んだ作品。中々沈まなかった太陽も漸く沈み、「短夜」と言いながらもほっとできる夜のひと時。食前酒はヤマモモ酒だろうか、それとも梅酒だろうか。そのとろりと熟成した濃厚な舌触りに、生きている喜びが凝縮されている。『俳句』2024年7月号。
夏至(げし)は二十四節気の一つで陽暦6月21日頃。一年の中で、最も昼が長く夜が短い。実際には梅雨の最中であることが多く、からりとした晴天に恵まれることはあまりない。
掲句は夏至の夜、食前酒を口に含む至福の一瞬を詠んだ作品。中々沈まなかった太陽も漸く沈み、「短夜」と言いながらもほっとできる夜のひと時。食前酒はヤマモモ酒だろうか、それとも梅酒だろうか。そのとろりと熟成した濃厚な舌触りに、生きている喜びが凝縮されている。『俳句』2024年7月号。
チョウ目のうち蛾以外の昆虫の総称。卵 、幼虫、蛹、成虫という変態をおこなう。春の到来とともに現れる成虫は、鱗粉でおおわれる四枚の羽を持ち、ストロー状に細長く伸びる口吻で、花の蜜や樹液などを吸う。

俳句で単に「蟹」(夏季)というときは、山、川、磯などにいる小蟹の総称であり、見て楽しんだり捕って遊んだりする種類の蟹であって、一部を除き食用にする蟹ではない。沢蟹、川蟹、磯蟹、ざり蟹など種類は多い。秋から冬の味覚である「鱈場蟹」「ずわい蟹」などはいずれも冬の季語。

「鍬形虫(くわがたむし)」は甲虫類クワガタムシ科の昆虫。幼虫は朽ち木を食べて成長し、成虫は夜間ナラ、クヌギなどの樹液に集まる。子供に人気のある甲虫の一つ。
掲句は、かつてクワガタムシの採集に熱中した長男のことを回想しての作。夜間行動性のクワガタムシを捕まえるには、夜樹液に集まってきたムシたちが朝散り散りになる前に捕える必要があった。夏休み期間中だったと思うが、息子は、夜が明けるのを待ちかねたように毎朝根気よく樹液の出る樹を見に行っていた。令和5年作。
南アフリカ原産のツルボラン科クニフォフィア属の常緑の多年草。明治時代の中頃にヨーロッパ経由で日本に渡来。初夏から秋にかけてボリューム感のある花穂を立ち上げる。花色は赤、オレンジ、黄色のグラデーション。別名「赤熊百合(しゃぐまゆり)」。
