春になって萌え出した菊の苗の若葉のこと。多年草の菊は、秋に花が咲き終わると、枝を根元から短く切って年を越す。春に根元から若い芽が萌え出し、やがて若葉となる。

春になって萌え出した菊の苗の若葉のこと。多年草の菊は、秋に花が咲き終わると、枝を根元から短く切って年を越す。春に根元から若い芽が萌え出し、やがて若葉となる。

山・高原・海辺などの自然の中で野営すること。キャンピング(天幕生活)の略語。自然に親しむために、天幕を張り自炊をして野外生活を楽しむ。夜は、かがり火を焚き、それを囲んで合唱やフォークダンスなどに興じることも多い。

龍太の初期作品に、
いきいきと三月生る雲の奥 龍太
の作がある。この「雲」は、定住の意思が定まった時期における作者の目に映じた故郷の雲であり、「いきいきと」の措辞には、三月の雲の明るさ、白さとともに、山国人として、待ちに待った春を迎える喜びが表われている。この句には、対象のもつ現実の相、そのなまなましさを感受して、それを作品に定着させようとする蛇笏譲りの志向がみえる。蛇笏の場合、例えば、
夏雲むるるこの峡中に死ぬるかな 蛇笏
の作では、峡の空に立ち塞がる夏雲の激しい自然相が、「むるる」の措辞により的確に捉えられている。そのなまなましい現実の相に触発されて、作者の胸中に、死に至るまでの自らの行く末を透視するような想念が生まれた。この蛇笏作と前掲の龍太作とでは、詠われている内容は全く異なるが、両句の措辞「むるる」、「いきいきと」が、いずれも対象の真へ肉薄しようとする志向から生まれたものであるところは共通している。
一方、龍太の円熟期の作品、特に句集『遅速』所収の
白雲のうしろはるけき小春かな 龍太
などの句になると、作中の「雲」には、故郷や甲斐といった作者が現に身を置いている地の風土から自由になった身軽さがある。この句は、故郷にあって作者が日々目にした諏訪口から甲府盆地へ向って流れて来る雲の印象から生まれた作と思われるが、作句の契機はともかく、この句の「雲」には、現実の雲のもつ雨を降らせそうな潤いやぼってりとした重さは失せ、この世とかの世を自在に行き来しているような軽さがある。円熟期の龍太作品にみられるこのような傾向は、
天の川のもとに天智天皇と臣虚子と 虚子
初空や大悪人虚子の頭上に 〃
などの作にみられる虚子の自在さ、放縦さと、作品の肌合いは全く異にするものの、印象として、どこかに通い合うところがある。
これに対して、直人の詠む「雲」は、前掲の蛇笏作と同様に、重さや湿り気などなまなましい現実の相を帯びている。
夕暮は雲に埋まり春祭 直人
白雲の追ひついてくる暑さかな 〃
第一句では、春祭を荘厳するかのように夕暮れの明るい雲が郷里を包んでいる情景が詠まれており、なかなか暮れようとしない晩春の頃の駘蕩とした時間の流れとともに、夕暮れどきの柔らかな明るさがある。この作の「雲」は、前掲の龍太作の「白雲」の自在さとは異なり、郷里に根を下ろしてそこを離れることなく、定住、土着する作者をしっかりと包みこむ。
一方、第二句では、故郷にあって、作者と抜き差しならない関係にある「白雲」のもつ「暑さ」、鬱陶しさが詠われている。それは、ひいては、一ところに住み続けることによる宿命的な「暑さ」でもあろう。
以上のように、両句には、故郷に定住、土着することに伴う作者の内面の明暗が対照的に表れている。その明暗の振り幅は、故郷に根を下ろして生きていくことそのものと言える。
蝸牛桜は雲の湧く木なり 直人
曇天の蒸して葡萄に色が来る 〃
掲出の第一句には、「蝸牛」を目にする頃の鬱勃とした季節にあって、そこに根を張って立つ桜の木が詠われている。桜の木は既に花の時季を過ぎて、鬱蒼と葉を茂らせており、雲が被さってくることにより、木のもつ生気が一層いきいきと感じられる。桜の木のいのちに共感を寄せている壮年期の作者の内面の充足感とともに、どことなく明るい諦念も感じ取れる作品である。
第二句の、秋になってなお蒸し暑い曇天には鬱陶しさもあるだろうが、他方、葡萄の化育に不可欠の、生命を育む暑さでもある。この句の「葡萄」と蒸し蒸しする「曇天」には、抜き差しならぬ関係にあるものの間の緊張感があるが、曇天の鬱陶しさを、自らの風土にとって必要なものとして肯定的に感受していこうとする志向が見える。
以上のように、直人俳句における「雲」は、作者の心に明暗を投げかける存在であり、その気になればいつでも雨を降らせそうな重さや湿り気を備えている。それは、故郷やそこに定住する作者を桃源郷のように明るく包むこともあり、また、時には、鬱陶しいものとして疎んじられることもあるが、作者の風土に欠かせないものとして詠われている。
スイカズラ科の落葉低木で、北海道南部から九州沿岸にかけて自生するほか、庭園などに植えられる。5、6月頃、漏斗状の花を咲かせる。咲き始めの花は白だが、開花中に順次、薄紅から紅色に移り変わる。
