日本在来種のユリ科の多年草。全国の山林の半日蔭や斜面などに群生する。3月頃、地下の鱗茎から花茎を出して、その頂に紅紫色の花を一つ下向きにつける。花びらは6枚で、開くと反り返る。鱗茎から良質の澱粉が取れる。古名は「かたかご」。

日本在来種のユリ科の多年草。全国の山林の半日蔭や斜面などに群生する。3月頃、地下の鱗茎から花茎を出して、その頂に紅紫色の花を一つ下向きにつける。花びらは6枚で、開くと反り返る。鱗茎から良質の澱粉が取れる。古名は「かたかご」。

桜は花の中の花。古来より詩歌に歌われ、日本人に愛されてきた。全国に自生し、また、公園などに植えられる。その時季になると、薄紅や白い花が春の野山を染める。
掲句は、〈この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば 道長〉を本歌として換骨奪胎した作品。本歌取りは和歌や連歌などで、古歌の語句・趣向などを取り入れて作歌新古今時代に盛んに行われたが、俳句でも稀に見掛けることがある。知的な言語遊戯の側面ばかりが目につくようだと、成功したとは言えないが、掲句は桜どきの気分を的確に形象化して成功していると思う。咲き盛る桜を前にした、現世も来世もない明るさが描き取られている。『俳句』2024年4月号。
冬の厚手のオーバーを脱いだ後に着る春用の軽いコート。立春が過ぎてもしばらくは寒い日が続き、コートを手放すことはできないが、薄手のウール、木綿、化学繊維などでできた、春らしい色調のものがよく用いられる。着る人にも見る人にも、春を迎えた明るい気分を感じさせる。

トクサ科トクサ属の杉菜の胞子茎。杉菜は在来の植物で、北海道から九州まで幅広く自生する。3月頃、土中の地下茎から胞子茎が伸び、地上に茎を伸ばして先端から胞子を飛散させる(土筆)。その後、遅れて細く尖った松葉状の葉(栄養葉)を出す(杉菜)。土筆は春の摘草の一つ。摘み取ったものは和物、煮物などにする。

「裸木」は「枯木」の傍題。冬に一葉残らず落葉してまるで枯れたように見える木のこと。
掲句は、冬という季節の情感を単純な線で描き出した。全く葉を落としたプラタナスのような裸木に、隣の木の影が、そしてそこに佇む作者の影がさしている。「裸木の影」に「己が影」と畳み掛けたところがいい。そこに、冬特有の求心的な心の在りようが表れている。『俳句』2024年4月号。