鳰(にお)はカイツブリ科の小形の水鳥。全国の湖や沼にすみ、水に潜って小魚などを捕える。縄張り意識が強く、キリリリと大きな声で鳴く。
掲句は「つぷと」という擬態語にオリジナルな味わいのある作品。先人の句の中にも、秋の空に聳える富士を「にょっぽり」と形容したり、薄氷にのる鴨の足を「たわたわ」と形容したりするなど、効果的な擬態語の例句がある。この句が過去のそうした作に比肩するとは思わないが、「つぷと」との擬態語が、単独行動を好む鳰の動きや真昼の湖面の静かさを目に見えるように描き出している。『俳句』2024年3月号。

