シジミ科の二枚貝の総称。浅蜊とともに食卓に最も馴染み深い貝の一つ。全国の河川、湖沼の砂泥に棲む。真蜆、瀬田蜆、大和蜆などの種類があるが、最も美味とされる瀬田蜆の旬が春なので春の季語となっている。味噌汁や佃煮などにする。

シジミ科の二枚貝の総称。浅蜊とともに食卓に最も馴染み深い貝の一つ。全国の河川、湖沼の砂泥に棲む。真蜆、瀬田蜆、大和蜆などの種類があるが、最も美味とされる瀬田蜆の旬が春なので春の季語となっている。味噌汁や佃煮などにする。

「手套(しゅとう)」「手袋」は外出の際に、手や指を保温するために用いる。襟巻、ショール、防寒帽などとともに、冬の外出時に身につけるものの一つ。
掲句は、外出から帰ってきて、手套を脱ぎながら自問しているところだろう。幸せは待つのがいいのか、或いはより積極的に摑みに行くべきなのかと。「手套脱ぎ」との言いさしたような下五は、あまり深刻な場面ではなく、日常生活の中でふと浮かんだ疑問だったことを表しているようだ。その軽さ、さり気なさがいい。『俳壇』2024年3月号。
狭義には、春の日光の意。空から降る明るくやわらかい日差しは、最も春を感じさせる。広義に春の景色・風光やそれらのもたらす駘蕩とした気分を指す場合もある。

「春一番」は立春を過ぎてから初めて吹く強い南寄りの風のことで、もともとは漁師言葉。日本海を進む低気圧に向かって、太平洋上の高気圧から強い風が吹き込む。この風で草木の芽がほどけはじめ、春の本格的な訪れとなる。「春一番」のあと同様に吹く風は、「春二番」「春三番」などといわれる。
掲句は本格的な春の到来を前にした「訃報」を詠む。春の荒々しいエネルギーを感じさせる強風がいく度となく南から吹いてくる頃、知友の訃報に接したというのだ。今年になって訃報を受けるのは何度目だろう。そんな作者の嘆きを知ってか知らずか、季節は容赦なく進んでいく。『俳壇』2024年3月号。