春隣鳥に目敏きみどりごも

「春隣」は「春近し」ともいい、近づいてくる春を待つ心が込められている冬の季語。

掲句は、冬も終わりの頃、ときどき家に遊びに来る孫を外に連れ出したときの作品。対象は2歳になったばかりの男の子で、日向を歩く鳩や雀を目敏く目で追っていた。彼は泊まりに来るたびに言葉が増え、悪戯が増え、その成長ぶりに驚かされるが、「孫」と表現しては句が甘くなって佳句が得難いとよく言われるので、「みどりご」と普遍的な表現を用いて、孫と祖父という関係を作品から消し去ることにした。令和5年作。

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