二十四節気の一つで、陽暦で1月5日頃(2024年は1月6日)。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の大寒前日までの15日間。暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の前半。

絡みもつれたまま枯れ果てている葎(むぐら)のこと。夏の間一面に生い茂っていた金葎や八重葎、その他の蔓草の類が、冬になると枯れて蕭条たる様相を呈する。

「春隣(はるどなり)」は冬も終わりになる頃の春の気配を捉えた季語。「春近し」ともいう。1月の下旬になると、降霜や結氷など夜から朝にかけての寒さは相変わらず厳しいが、寒さの緩む日も交じるようになる。日の光は日一日と力強さを増してくる。
掲句は、妻をアシストして自宅の厨房に立つようになってからの作品。「笹掻き(ささがき)」はゴボウなどを笹の葉のように細く薄くそぎ切ること。妻が真水に削ぎ落す牛蒡の匂いが厨房に漂っていた。健康な食欲をそそる匂いだった。いわゆる「台所俳句」に属する作品といえる。令和4年作。
寒は、寒の入り(小寒、1月5日頃)から、大寒(1月21日頃)を経て、寒明(節分、立春の前日、2月3日頃)までのおよそ30日間。この期間を「寒の内」と称する。1年のうちで最も寒さの厳しい時期。太平洋側は冬晴れの日が続き、日本海側は鉛色の雪雲に覆われる。

水は、寒さが増してくるにしたがい磨きがかかり、研ぎ澄まされていく。冬の水は触れれば手を切るほど冷たく、四季を通して最も清らかで水底まで澄み切っている。あたりのものが動きをとめて、克明な影を落とす。
