初護摩の煤ゆらゆらと頭上より

初護摩は、新年になってはじめて焚く護摩。不動明王などを本尊とし、その前に護摩壇を設け、長短の護摩木を焚き、火中に供物を投じて修する。災いを除き、幸福をもたらし、悪を屈服させることを祈願する。

掲句は狭山不動尊に初詣に行ったときの作品。折から穏やかに晴れ、見るもの聞くものに、新年を迎えた目出度さが感じられる佳き日だった。太鼓の轟とともに、青空高く立ちのぼった護摩木の煤が、ゆらゆらと参拝に訪れた人々の頭上や肩の上に下りてきた。平成18年作。『春霙』所収。

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