古年の藪に雪降る音こまか

「古年(ふるとし)」は「去年(こぞ、きょねん)」の傍題。新年になって過ぎ去った年をふりかえる心がある。

掲句は、年が改まって、過ぎ去った年のあれこれを思い浮かべての作。関東地方に珍しく雪が降り、粉雪が藪を打つ乾いた音が耳に残った。明るくてどこか侘しいその音に、学生時代の一時期を除き、この地を離れなかったわが半生を振り返った。平成20年作。『春霙』所収。

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