冬深ししんと起筆の一呼吸

「冬深し」は一年で寒さの最も極まる時期のこと。積もった雪や蕭条とした枯色の山野、厚いコートに身を包む人々など冬真っ盛りの情景の中で、春が待たれる日々でもある。

掲句は筆を執っている自らの動作を思い返しての作。書道は月一回ほど義姉の家に通っていた。「起筆」は、書道用語で紙面に筆の穂が接して送筆に移るまでの動きのこと。起筆の時、一呼吸置くことが大事だと教えられた。その僅かな一呼吸の間にも、冬の深まりがひしひしと感じられるような寒中のことだった。平成31年作。

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