「息白し」は冬、気温が低くなって、人や動物の吐く息が白く見えること。息を白く吐きながら駅へ急ぐ人々の姿に、冬になったことを実感する。寒気の中で白々と吐く息は、生きている証でもある。
掲句はとある美術館で、壁に掛けてある能面を前にしての作品。木彫の能面が実際に息を吐くことはないが、動と静の境にいるような能面の表情、ことにその半開きの口を見ていて、話し出すところをありありと思い描いた。笑みとも愁いともつかぬ女面のもつ中間表情がそのような想念を誘い出したのかも知れない。平成27年作。
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