鰭酒(ひれざけ)は、フグや鯛などの鰭(ひれ)をあぶり焼いて、燗酒に入れたもの。琥珀色に透んだ鰭酒には独特の風味がある。
掲句は自宅で電子レンジなどを使って作った鰭酒を口に含み、酔いが回る心地よさを感じながらの作。慌ただしい日々を重ねていつか五十代も半ばに差し掛かっていた。光陰矢のごとしという感慨に浸りながらも、鰭酒を愉しむしばらくの間は、光陰も歩みを緩めてくれているような気がした。平成26年作。
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