降る雪の彼方から来し一封書

雪に対する受け止め方は、日本海側の豪雪地帯と、めったに雪が降らない太平洋側とで異なる。稀に降る雪を珍しいものとして愛でるのは、太平洋側に住む人の心情だが、毎日遠距離を通勤する人間としては、電車を遅延させ、道を歩きにくくする雪を愛でてばかりもいられない。

掲句はコロナ禍のテレワークで一日家にいた頃の作品。家にいながらも、時折雪の降り続く空を見上げていたのは、勤め人として雪の中を移動する苦労が記憶に刻み込まれていたからだろう。郵便受けに入っていた封書が折からの雪で濡れていた。令和4年作。

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