櫟はブナ科の落葉高木で、本州以南の山野に自生。低山の雑木林を形成する主要な樹種。秋には葉が褐色に色づき、冬にかけてゆっくりと散っていく。その実は団栗として親しまれる。

櫟はブナ科の落葉高木で、本州以南の山野に自生。低山の雑木林を形成する主要な樹種。秋には葉が褐色に色づき、冬にかけてゆっくりと散っていく。その実は団栗として親しまれる。

稲の香や分け入る右は有磯海 芭蕉 元禄2年旧暦7月15日、『おくのほそ道』の旅中の作。真蹟草稿にある句形。越中・加賀国境の倶利伽羅峠辺りで、眼下はるかな富山湾を眺望しての作か。「有磯海」は放生津から氷見辺りまでの海を指す越中の歌枕だが、曾良の『随行日記』によれば、芭蕉は有磯海へは行かなかった。右手に歌枕の海を遠く望みながら、行かずに通り過ぎようとしている旅人芭蕉の愛惜の気持ちも感じられる(山本健吉)。
早稲の香や分け入る右は有磯海 芭蕉 『おくのほそ道』では「早稲の香や」と推敲し、「かゞの国に入」との地の文に続いてこの句が掲載されている。「稲」→「早稲」への推敲により、稲田を渡る初秋の風の明るさや実り始めた稲の匂い、海原のきらめきが臨場感をもって迫る作品になった。「有磯海」は越中の歌枕だが、加賀、越中、能登はいずれも当時前田百万石の領内であり、この三国を合わせて加賀の国といったところに、大国に対する芭蕉の意識が表れている。この句については、『三冊子』(赤草紙)で、大国に入りて句を詠むときの心得の例として挙げられている。古来の歌枕「有磯海」を詠み込むことで、大国加賀への挨拶としているのだ。訪れる地霊への挨拶として句を作るという芭蕉の心情は、現代の俳人には失われてしまった心の在りようだろう。
冬木は、落葉樹、常緑樹のいずれにもいうが、特に葉を落とし切った落葉樹には冬木らしい趣がある。
掲句は近くの疎水べりの枯桜の趣に晩年の父の面影を重ねてできた一句。「父情」は一般的な用語ではないが、〈冬ふかむ父情の深みゆくごとく 龍太〉が念頭にあって思い浮かんだ言葉。生前の父の心を十分汲み取れなかった自分自身を、反省を込めて振り返る思いもあった。平成29年作。
梔子(くちなし)はアカネ科の常緑低木で庭園や街路に植えられる。梅雨の頃芳香のある白い花が咲いた後実を結ぶ。実は、六縦稜のある黄紅色の楕円形。熟しても開裂しないため「口無し」の名がついた。古くから衣や食品の染料及び薬用として用いられた。お節料理の栗きんとんの染料としても使われる。

榠樝は中国原産のバラ科の落葉高木。秋に実る果実は黄色で球形又は長楕円形。香気が強いが生食には向かず、砂糖漬け、果実酒、咳止め薬、のど飴などになる。
