南ヨーロッパ原産のアヤメ科の多年草。漢字の表記は「洎芙藍」。晩秋の頃、淡紫色の漏斗状の六弁花を咲かせる。花は、黄色の雄しべと赤い雌しべをそれぞれ三本づつ持つ。めしべを摘んで薬用、染料にする。

南ヨーロッパ原産のアヤメ科の多年草。漢字の表記は「洎芙藍」。晩秋の頃、淡紫色の漏斗状の六弁花を咲かせる。花は、黄色の雄しべと赤い雌しべをそれぞれ三本づつ持つ。めしべを摘んで薬用、染料にする。

ほととぎす宿借るころの藤の花 芭蕉 元禄元年旧暦4月11日、奈良を出て大和八木に宿を取ろうとしたときの作。陽暦でいえば5月中旬で、暦の上では既に夏だった。夏季のホトトギスが主題で、宿の周辺の夕闇の中で見た藤の花と取り合わせたが、ホトトギスと藤の花とで焦点が分裂した印象は否めない。芭蕉は実際にホトトギスを耳にしていたのだろう。
草臥れて宿借るころや藤の花 芭蕉 『笈の小文』ではこのように推敲された。実際に大和八木に泊まったのは初夏だが、ホトトギスを作中から消し去り、春の句(藤は春季)として成案とした。作句に当たっては、時には事実そのままではなく虚構も必要なことを示している例だ。一日の旅に疲れて旅籠を求める時分の旅人の心情が、暮色の中でおぼつかなく咲く藤の花に託されている。旅愁と春愁が綯交ぜになった気分がただよう。
落葉は、落葉樹が葉を落とすこと。風に吹かれて舞ったり、音もなく地上に散り敷いたりする。落葉は地表を覆い、堆く積もる。落莫、寂寥のイメージがある。
掲句は、ひとしきり降り続いた落葉が静まった後の空の印象を句にしたもの。頭上を遮っていたものが失せて、空が軽くなり、また、広くなったように感じられたのだ。感じたことを率直に表現しただけの作品で何の解説も要しないが、句には、初冬という季節のもつ軽やかさがある。冬、特に初冬は決して落莫、寂寥のイメージだけの季節ではない。『俳句界』2023年11月号。
キンポウゲ科の多年草。古く中国から渡来し、山野に自生するほか、園芸品種も作られている。京都の貴船に多く見られたところからこの名がある。別名、秋明菊。晩秋の頃、長い花柄の先に菊に似た淡紅紫色又は白色の花を咲かせる。

ブドウ科の蔓性植物で、日本の本州、四国、九州の山野に自生。葉は葡萄の葉に似ているがそれより小さい。夏に小花を房状につけたあと、小粒の実が生る。初めは青いが、秋には黒く熟して食べられる。
