葱の旬は冬で、俳句でも冬の季語になっている。関東近辺ではやはり深谷葱が主流で、味噌汁やなべ物に欠かせない。料理の主役になるような食材ではないが、名脇役として料理を引き立たせ、ときにはなくてはならない存在感をもつ。
掲句は大切りにして煮込んだ葱の甘みを詠んだもの。その甘みは、冬の間晴天が続き、寒暖差の激しい坂東(ばんどう)の風土のたまものと思えた。放射冷却で冷え込んだ夜、外に出ると降るような数の星が爛々と光っていた。平成27年作。
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