夜長は秋の夜が長く感じられること。暑い夏を経て涼しい夜が長くなるのは嬉しいことだが、ときには夜の長さを持て余すこともある。
掲句は平成11年に父が急逝したときの作品。いつも灯っていた父母の寝間が暗いまま夜が更けてゆき、その暗がりが、ぽっかりと空いた心の空洞のように思えた。3人の子と2人の孫に限りない愛情を注いでくれた父のことを、今でも懐かしく思い起こす。平成11年作。『河岸段丘』所収。
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