夜店は縁日の夜、神社の参道などに並ぶ露店のこと。食べ物、玩具、金魚など様々なものが売られる。涼みがてらにゆっくりと見て歩くのは、夏の夜の楽しみの一つだ。
掲句は、夜店そのものではなく、夜店が尽きた暗がりの瀬音に焦点を当てた一句。自ずから川沿いの参道にこじんまりと4、5軒の夜店が並ぶ様が想像される。夜店の明かりが途切れると、既に暮れ切った夜闇に瀬音がするばかりだというのだ。楽しみの中に一抹の寂しさが混じる。『俳句』2023年11月号。
夜店は縁日の夜、神社の参道などに並ぶ露店のこと。食べ物、玩具、金魚など様々なものが売られる。涼みがてらにゆっくりと見て歩くのは、夏の夜の楽しみの一つだ。
掲句は、夜店そのものではなく、夜店が尽きた暗がりの瀬音に焦点を当てた一句。自ずから川沿いの参道にこじんまりと4、5軒の夜店が並ぶ様が想像される。夜店の明かりが途切れると、既に暮れ切った夜闇に瀬音がするばかりだというのだ。楽しみの中に一抹の寂しさが混じる。『俳句』2023年11月号。
山椒はミカン科サンショウ属の落葉低木。初夏に開花しそのあと雌株が実をつける。実は最初は青く、青山椒(夏季)として利用される。秋になって赤く熟し、裂けて黒い種を見せる。青山椒と同様、秋に紅熟した実も辛みと風味があり香辛料に用いられる。

臭木(くさぎ)はクマツヅラ科クサギ属の落葉小高木で山野の日当たりのよいところに自生。初秋の頃、枝先に香りのよい白い花が群がり咲き、秋の深まる頃、実が光沢のある藍色に熟す。

弁慶の笈をも飾れ紙幟 芭蕉 元禄2年旧暦5月2日、『おくのほそ道』旅中の芭蕉一行は飯坂の医王寺に佐藤庄司元治一族の旧跡を訪ねた。この句は、『曾良本おくのほそ道』に記されている初案。「紙幟」は、端午の節句に立てる紙製の幟(夏季)。男児の将来を祝う端午の節句に、武勇で聞こえた弁慶の笈を紙幟とともに飾れと呼びかけたもの。『曾良随行日記』には「寺ニハ判官殿笈、弁慶書シ経ナド有由。系図モ有由」とあって、実際には話に聞いただけで、見ていないことが分かる。
笈も太刀も五月に飾れ紙幟 芭蕉 この改作は、『おくのほそ道』の地の文と合わせて後年なされたと思われる。すなわち、「寺に入りて茶を乞へば、ここに義経の太刀、弁慶が笈を留めて什物とす」との前文に対応して「(弁慶の)笈も(義経の)太刀も」とした。また、改案で加えた「五月」(さつき)の語は句の情調を明るくして効果的だ。この句は「紙幟」「五月」の季重なりだが、両者が並列ではなく、主季語を含む「五月に飾れ」の措辞が「笈」「太刀」「紙幟」の三つを束ねているから、季重なりが気にならない。
泡立草とひと口に言っても、秋の麒麟草とも呼ばれる可憐な黄花を咲かせる草のほか、北アメリカ原産の荒れ地に群生する背高泡立草も含まれる。
掲句の泡立草は荒地に猛々しく生える背高泡立草の方だろう。「や」の切れ字を使った伝統的な句形だが、「町消えて」の上五の措辞から思い浮かぶのは、東日本大震災の被災地だ。被災して一瞬のうちに町が消え去り、残された荒地に小さな祠が一つ立っていたという。空想や誇張を排した実直な句柄だが、泡立草が非情な被災地の光景を彷彿させる。『俳句』2023年11月号。