五家宝の粉にむせたる鎌祝

鎌祝は、稲刈りが終わった後、稲刈りの主役を務めた鎌に感謝する行事。清めた鎌を神棚や床の間に飾り、赤飯や餅を供え、手伝いの人たちも招いてその年の収穫を皆で祝った。

掲句は、鎌祝という古くから行われてきた行事を埼玉北部の和菓子「五家宝」と取り合わせた作品。「五家宝」は、きな粉をまぶした素朴な菓子で、食べるとき粉にむせることがよくある。粉にむせているのは、祝いの席に招かれた客人の一人。この句から関東平野の刈田の風景を目に浮かべてもらえたら幸いだ。令和元年作。

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