「月今宵(つきこよい)」は中秋の名月のこと。陰暦8月15日の月である。月下に佇めば、月光が秋草を照らし出し、虫の音が競い合うように聞こえてくるだろう。
掲句は中秋の名月の夜空を描き出す。「雲一切流し切つたる」の主語は月である。月が、自らの力で、名月の夜の妨げになる雲を流し切ったというのだ。科学的にはあり得ないのだが、こう表現されてみると、自然のダイナミズムを感じさせるところが表現の妙である。『俳壇』2023年9月号。
「月今宵(つきこよい)」は中秋の名月のこと。陰暦8月15日の月である。月下に佇めば、月光が秋草を照らし出し、虫の音が競い合うように聞こえてくるだろう。
掲句は中秋の名月の夜空を描き出す。「雲一切流し切つたる」の主語は月である。月が、自らの力で、名月の夜の妨げになる雲を流し切ったというのだ。科学的にはあり得ないのだが、こう表現されてみると、自然のダイナミズムを感じさせるところが表現の妙である。『俳壇』2023年9月号。
自然薯、長薯、ツクネイモなどの葉のつけ根に生ずる暗緑色まはた暗褐色の多肉で球状の芽のこと。地上に落ちると根を出して、新しい個体となる。茹でたり、飯に炊き込んでむかご飯などにして食べる。収穫時期は9月下旬から11月初旬頃で、秋を感じさせる野趣ある食材だ。

「八月」は8月8日頃に立秋を迎えることから秋の季語とされている。依然として暑さが厳しい日々が続き、原爆忌、終戦日、お盆と、物故者や祖先を偲ぶ機会も多い。相変わらず残暑は厳しいが、徐々に秋の到来を感じることも増えてくる。
掲句は、八月の印象を「屍(しかばね)が傷む」季節と大胆に表現した。原爆投下や空襲の惨状は、直接経験していなくても、写真や映像によって脳裏に焼き付いている人は多いだろう。八月の極暑の中で傷んでいく屍のイメージは、生々しく読む者に迫って来る。『俳壇』2023年9月号。
古くは京都の賀茂両社の賀茂祭(葵祭)を単に「祭」とよんできたが、その後、賀茂祭以外の夏の祭りも「祭」と称するようになった。夏の祭りは疫病や水害その他の災厄からの加護を祈るものが多く、主として都市部の神社を中心に執り行われる。祭の際には、祭神の出御のために神輿の渡御や山車・鉾の巡行が行われる。神輿や山車等は地上に降りてきた神の乗り物であり、これに笛や太鼓の祭囃子が付き添って巡行がなされる。
