立秋(8月7、8日頃)の前の夏も終わりに近づく頃、暑さの中にも、空の色や一刷の白雲、風の感触、木々のそよぎ、月影などにふと秋の近いことを感じさせられることがある。酷暑や熱帯夜にあえいだ後だけに秋を待ちわびる心はひとしおだ。「秋隣」ともいう。



立秋(8月7、8日頃)の前の夏も終わりに近づく頃、暑さの中にも、空の色や一刷の白雲、風の感触、木々のそよぎ、月影などにふと秋の近いことを感じさせられることがある。酷暑や熱帯夜にあえいだ後だけに秋を待ちわびる心はひとしおだ。「秋隣」ともいう。



芒はイネ科の多年草。秋に穂を出すが、穂が出る前の青々と茂った芒のことを青芒という。芒は春に芽を出した後、夏には高さ1メートル以上になる。葉は剣のように細長く尖り、力強く、勢いがある。野や川原などで風に揺れている青芒は涼感をよぶ。

夏茱萸は晩春に花が咲き、初夏に実をつける。赤色に熟した実を口に入れるとほのかな甘みがある。太平洋側や四国の山地にごく普通に生えている落葉低木。
掲句は、初夏に実をつけた夏茱萸に、とどまらぬ月日の流れを感じてできた一句。昨年も一昨年も山歩きの途中で見つけては食べていた夏茱萸。季節が巡ってきて、その実が今年も熟れて食べ頃になっている。そのひそやかな紅色は、過ぎ去った月日のあれこれを思い起こさせる。令和5年作。
暑い昼が去って、夏の夜空に煌々と輝く月に涼しさを感じるというのが、この季語の本意。「月涼し」ともいう。また、昼の暑さをとどめて火照っているようにみえる夕月も、短夜の暁の空に白く残る月も、趣は異なるがいずれも夏の月である。「夏の月の好いことは、それがあまりに輝き過ぎないことだ。」と島崎藤村(『短夜の頃』)が記しているように、夏の月には、他の季節の月にはない趣がある。
