秋風や尾鰭胸鰭切り落とす

秋風は、万物衰退の季節に吹く風である。身にしみてあわれを添える光景の中を吹き抜けてゆく。

掲句は魚河岸での嘱目を作品にしたもの。魚が捌かれて、生きて海原を泳いでいたときの姿から、一個の食材へと変貌してゆく。包丁さばきの手並みが鮮やかであればある程、あわれさを感じさせる光景だった。平成24年作。

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