鯵刺はカモメ科アジサシ属の鳥。多くの鯵刺にとって日本は渡りのルートにあり、春と秋に旅鳥として全国各地で観察される。一方、小鯵刺は本州以南に夏鳥として渡ってきて繁殖する。海岸や川などの水辺に生息し、狙いをつけて水にダイビングして魚をとらえる。川の近くであれば、関東の内陸部でも見ることができる。
掲句は「利根大堰(とねおおぜき)」をはるかに望んでの一句。折から利根川流域一帯は暑さに霞んだように見え、空高く翔ける鯵刺の鋭い声が夏の到来を告げているように聞こえた。平成17年作。『春霙』所収。
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