祝婚歌は、古代ギリシャ以来発展した文学形式の一つで、新郎新婦を褒め称え、その結婚を祝す歌。日本で祝婚歌といえば、吉野弘の同名の詩を思い起こす人も多いだろう。
掲句は、その祝婚歌が書かれないままだという。その理由が書き手の側にあるのか、それとも新郎新婦の側にあるのかなどの説明は全くなされずに、事実だけが読者に投げ掛けられる。折から一年で最も麗しい季節である5月。祝婚歌を書くには最も相応しい季節だ。そのことが、読む者の想像力を一層刺激する。『文藝春秋』6月号。
祝婚歌は、古代ギリシャ以来発展した文学形式の一つで、新郎新婦を褒め称え、その結婚を祝す歌。日本で祝婚歌といえば、吉野弘の同名の詩を思い起こす人も多いだろう。
掲句は、その祝婚歌が書かれないままだという。その理由が書き手の側にあるのか、それとも新郎新婦の側にあるのかなどの説明は全くなされずに、事実だけが読者に投げ掛けられる。折から一年で最も麗しい季節である5月。祝婚歌を書くには最も相応しい季節だ。そのことが、読む者の想像力を一層刺激する。『文藝春秋』6月号。
夏の暑さの表現には、薄暑、溽暑、炎暑など様々な言い方があるが、「暑し」はその最も一般的な表現。どのような対象や場面に暑さを感じるかは、人それぞれの感覚の働きによる。
掲句は、私が生まれ、現に住んでいる「坂東(ばんどう)」の暑さを詠んだ作品。「坂東」とは箱根より東の国のこと。「関東」「関八州(かんはっしゅう)」などの呼称もあるが、私はより重厚な「坂東」という呼び名が好きだ。海から離れた内陸性気候であり、寒暖の差が激しく、夏の盛りの暑さは手強いものがある。令和2年作。
夏にみられる露のこと。単に露といえば秋の季語。昼夜の温度差によって空気中の水蒸気が凝結してできる。放射冷却によって夜間の温度が下がった時など、草むらの露が朝日を受けてきらきらひかる様は涼しげだ。
