星涼し階下に父母の寝静まり

暑い夏は涼しさに敏感になり、涼しさを求めることから、「涼し」は夏の季語になっている。と同時に、「月涼し」「星涼し」「涼風」「朝涼」「晩涼」など、月や星や朝晩の涼しさを楽しむ。いずれも夏の季語だ。

掲句は、父母が健在だった頃、家人が寝静まった夜半に一人起きていて、ふと思い浮かんだ作品。二階の部屋にいて、しんと寝静まった階下の父母の部屋に耳を澄ませた。いつしか、父母は老境に、私は壮年の働き盛りになっていた。平成10年作。『河岸段丘』所収。


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