「走り梅雨」ともいう。5月下旬から6月上旬にかけて、本格的な梅雨に入る前に、本州南岸に前線が停滞して梅雨めいた天候になることがあり、その頃のこと。通常は迎へ梅雨の後一旦天気が回復し、しばらく晴天が続いてから本格的な梅雨に入ることが多い。

「走り梅雨」ともいう。5月下旬から6月上旬にかけて、本格的な梅雨に入る前に、本州南岸に前線が停滞して梅雨めいた天候になることがあり、その頃のこと。通常は迎へ梅雨の後一旦天気が回復し、しばらく晴天が続いてから本格的な梅雨に入ることが多い。

春夏秋冬のうちの夏は、二十四節気の立夏から立秋の前日までの期間。夏の前半は梅雨に当たるため雨が多く、梅雨の明けた頃から猛暑が続く。涼風や清水、木陰、水泳、氷菓など、生活の中で束の間に感じられる涼気は、夏の楽しみの一つだ。

「黴」(かび)は、菌類のうち茸にならないものの総称。梅雨を始めとして夏の高温多湿の状態では、食物や書籍、衣服などあらゆるものに黴が発生する。我々は、生活空間の様々なところで黴を目にする。放っておかれて黴びないものはない。
掲句は、職場から派遣された研修で明治以来の古文書を目にする機会があり、その綴じ方や紙質に時代の推移を感じてできた作品。明治時代の文書が、日本伝統の和綴じで端正に仕上げられていたのに対し、昭和初期や戦時中の文書が、劣悪なざらざらした紙を用いていて、劣化著しいのを目の当たりにしたのだった。下五の「黴の中」は、無慈悲で容赦のない月日の経過を表そうとした。平成14年作。『河岸段丘』所収。
南米アンデス原産のナス科一年生作物。日本には江戸時代に、ジャカルタからオランダ船によって長崎県平戸に渡来したという。ジャガタラからやって来たということでジャガイモと名付けられた。春の初めに植え付けられた馬鈴薯は、初夏に白又は薄紫の花をつける。花が咲き終わってから2~3週間後が収穫期。

「新緑」は、夏を迎えたばかりの初々しい若葉の緑のこと。この言葉には、夏の到来を告げる清新さとその中で生きる喜びがある。当初感じられた木々の緑の溌溂とした新鮮さは旬日で薄れてしまうのだが・・・。
掲句は、瑞々しい新緑の中で、「海を知らざる猫」を抱いているという。内陸の地方で育った猫が海というものを知らずに生き、そして死んでいくということに、作者は愛おしさを感じている。新緑という生命力あふれる季節が、作者を海辺への旅に誘っているのかも知れない。『俳句』2023年6月号。