山野に自生するグミ科グミ属の落葉低木。茱萸の種類は多いが、晩春に花を咲かせ、5、6月に実が赤く熟すものを、秋に実の熟すものと区別して、「夏茱萸」という。夏茱萸の実は甘酸っぱく、幼時の追憶を誘われる。

山野に自生するグミ科グミ属の落葉低木。茱萸の種類は多いが、晩春に花を咲かせ、5、6月に実が赤く熟すものを、秋に実の熟すものと区別して、「夏茱萸」という。夏茱萸の実は甘酸っぱく、幼時の追憶を誘われる。

山野に自生するエゴノキ科の落葉高木。枝先に真っ白な5弁花が群れ咲く。山野に自生するほか、庭園などにも植えられる。夏の初めの頃、地面に花びらが散り敷いていて、頭上にかぶさるように群がり咲くこの花に気づくことが多い。昔は、果実を石鹸と同じように洗浄剤として洗濯などに用いたという。

八十八夜前後に摘まれた茶葉は、製茶所で製造されて新茶(一番茶)として初夏の頃店頭に出回る。仕事や家事の合間などに、窓外の木々の葉の照り返しを眺めながら、香りたかい新茶で一服するのは、至福の時間だ。一般的に、手摘みの茶葉は上質の高級茶となり、機械刈りで一気に刈り取られた茶葉は、大衆茶の原料となる。

「雪加」はスズメ目セッカ科の留鳥で体長12センチ程。川原や草原、農耕地などに棲み、昆虫、クモなどを捕食する。雄は繁殖期にヒ ッヒッヒッと弾力のある声で高らかに鳴き、下降する時はチャッチャッチャッという地鳴きをする。夏の季語。
掲句は、さきたま古墳群を訪れたときの作品。5~7世紀頃に作られた9基の古墳が群集している公園だが、公園といっても、当時は夏草が生い茂り、付近の畑や草原を縄張りにしている雪加が頻りに鳴いていた。木陰の乏しい炎天の日射しの中を歩きながら、古墳の横穴の奥にある石室の暗がりを想像した。平成16年作。『河岸段丘』所収。
二十四節気の一つで、陽暦5月5、6日頃。「穀雨」と「小満」の間に位置するこの日をもって、暦の上では夏となる。草は丈を伸ばし、木々の若葉が目に鮮やかな季節だ。風も、葉を広げたばかりの草木の匂いをどことなく含んで、薫るように感じられる。人々の装いも軽やかになり、街中には氷旗が立ち、夏が来たことを実感させる。
