「袋掛」は、林檎、梨、桃、枇杷などの栽培で、果実を鳥や病虫害から守り、外観を美しく保つため、紙の袋を掛けること。摘果の後、実の一つ一つに袋を掛けるのは、根気の要る作業だ。
掲句は、山梨県勝沼の葡萄畑での作品。行けども行けども左右は葡萄棚で、棚の奥の方で夫婦らしい二人が黙々と袋掛けをしていた。青々とした葡萄の葉を零れてくる日が、作業をしている人の肩や腰に差して揺らめいていた。平成20年作。『春霙』所収。
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