「泉」は、地下水が地表に湧き出たもので、湧き出る水の量感・透明感が涼味を感じさせることから、夏の季語となっている。
掲句は、石神井公園での作品。池を巡る木道の途中に泉が湧いていて、周囲に林立する落羽松(らくうしょう)が、ベンチに憩う人を包み込むように大きな木陰を作っていた。その根の一つが、地表に浮き出たまま泉まで伸びて、爬虫類の膚のようにぬめぬめと濡れ光っていた。この樹の生への意思を、そこに見たような気がした。平成14年作。『河岸段丘』所収。
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