中国原産のアヤメ科の多年草。古い時代に渡来したものが野生化した帰化植物で、日本各地の山野で見られる。谷川沿いの木陰などやや湿った半日陰を好む。一日花で花の寿命は短いが、花数が多く次々に開花する。「胡蝶花」という別名は、この花の、蝶の群がり舞うような印象から名付けられたという。朝の湿りの中で、この花も目覚めたばかりの風情。

中国原産のアヤメ科の多年草。古い時代に渡来したものが野生化した帰化植物で、日本各地の山野で見られる。谷川沿いの木陰などやや湿った半日陰を好む。一日花で花の寿命は短いが、花数が多く次々に開花する。「胡蝶花」という別名は、この花の、蝶の群がり舞うような印象から名付けられたという。朝の湿りの中で、この花も目覚めたばかりの風情。

単に「鵙」といえば秋の季語だが、春の営巣期に雌に求愛する鵙は、天地に向かってやさしく呼びかけるような声で鳴く。秋晴れの澄みわたった大気を貫く鵙の声とは趣が異なる。秋の高鳴きは鵙の縄張り宣言であり、越冬して春になると、自らの縄張りに留まったまま営巣期・繁殖期に入っていく。
郊外で、風の彼方にやさしく呟くような「春の鵙」の声を聞いて、春の訪れを感じたことが契機になってできた一句。冬の間は天地も風も草木も、それぞれ孤立して厳しい様相を呈していたのだが、いつしか、自然の万物も人間も相互に親しみ合う季節に入ったのだと思った。平成25年作。
全国の山地や庭園に見られるエゴノキ科エゴノキ属の落葉高木。5~6月に純白の花が長い穂になって垂れ下がる。その花の様子を白雲に見立てたのが和名の由来。「えごの花」は歳時記に仲夏の季語として掲載されているが、同科同属の「白雲木」もほぼ同時季に咲くので、仲夏の季語として扱っていいだろう。「えごの花」と同様に、この季節の印象そのままの清潔感のある明るい花だ。

バラ科バラ属の総称。花時は初夏、次いで秋。細々と冬に咲き残っている「薔薇」もあるが、俳句で「薔薇」といえば、初夏の季語。「薔薇」は、その姿形を楽しむほか、香りを愛でる人も多い。古くから人類が品種改良を重ねてきた「薔薇」には多くの品種がある。中でも、一重咲きは野生の「薔薇」が持つ本来の花型で、楚々とした姿が印象的だ。一方、八重咲の「薔薇」の絢爛たる姿形も魅力的だ。「薔薇」には、西洋庭園がよく似合う。
下の写真は、日比谷公園の薔薇園。

下の写真の蔓性の白薔薇は、ドイツ生まれの品種「アイスバーグ」。

下の写真は、日本生まれの品種「春霞」。

下の写真は、フランス生まれの品種「パブロワ」と「サラバンド」。


下の写真は、イギリス生まれの品種「シャンパンモーメント」。

下の写真は、日本生まれの品種「ブルーグラビティ」。

下の写真は、日本生まれの品種「あおい」。

下の写真はフランス生まれの品種「ギーサヴォア」。

「末黒」は、野焼きの後、草木が黒く焦げて残っている野のこと。害虫駆除や葭などの芽吹きを促すために、畦や堤、河川敷の野焼きが行われる。最近は、野焼きを禁止する自治体も多くなっているようだ。
掲句は、山梨の廣瀬直人先生(当時「白露」主宰)のお宅を訪問する前に、近くの日川の河川敷を句友と散策した時の作品。堤を越えて河川敷に足を踏み入れると、数日前に野焼きが行われたことが一目で分かるような、「末黒」の光景が広がっていた。日川は、焼野の真ん中を流れる清冽な一条の流れとして、目の前に現れた。平成22年作。