手元の歳時記では「鳥の巣」「鷹の巣」は春の季語、「巣立鳥」「巣立」は初夏の季語になっている。掲句の「雀鷹育つ」は、巣立つ前の雀鷹の雛鳥を詠んだものなので、「鷹の巣」の傍題と考えたい。
雀鷹は、日本のタカ類で最小の鳥。雌は30センチ程で、雄は雌より少し小さい。関東近辺では3~4月に南方から渡ってきて低山の林で繁殖し、主に小鳥を捕食する。住まいの近くを散策していると、雑木林の中の道を通るたびに、この鳥の声を耳にした。春も深まった頃で、営巣の真っ最中だったのだろう。櫟や小楢は一斉に芽吹くと、ぐんぐん葉を広げて日に日に林の中は暗くなっていった。令和3年作。