冬の間、凍てついた空から冷徹な光を投げかけていた月は、春めいてくるにつれて、光をやわらげ、潤いを帯びて中天にかかる。
掲句は、仲春の頃、林や湖畔を歩きながら月を振り仰いでの作。林中では、芽吹きが始まっている木々の梢も月もどことなくけぶって見えたが、湖畔に出ると、すっきりと澄んだ月が仰がれた。見上げる場所によって、月が色々な表情をみせることに、興味を持った。平成31年作。
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