春になって寒気が緩んでくると、夜、見上げる星も潤んで柔らかな光を帯びてくる。地上の我々も星も、同じような夜気の湿りの中にいるような錯覚に囚われる。
掲句は、3月中旬に秩父に小旅行したときの作品。山女(やまめ)と雨子(アマゴ)は、体の横の鮮やかな朱点の有無で区別するそうだが、その夜味わったのは雨子骨酒だった。暮れるにつれて、川を隔てた山の端に星が一つ、また一つと殖えていった。令和5年作。
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