マフラーをぐるぐる巻きにして受験

「入学試験」「受験」は仲春の季語になっているが、かつて自ら受験を経験し、二人の子の受験を見守ってきた生活者としての実感からいえば、大学入試共通テストが行われる1月中旬の最も寒さの厳しい時期に受験シーズンに突入する感じだ。その後も受験シーズンは続き、徐々に春めいてくるのだけれど・・・

掲句は、通勤途中目にした受験生の姿が契機になってできた作品。寒さの厳しい駅のホームで、厚手のマフラーをぐるぐると首に巻き付け、手袋をしっかり嵌めた、一目でそれと分かる受験生の姿が印象的だった。一人一人の受験生の背後には、彼らを見守り、応援しているであろう肉親を始めとする多くの人たちがいることを想像した。掲句から、まだ少年少女の面影の残る受験生の姿を思い浮かべていただければ幸いだ。平成19年作。『春霙』所収。


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