「花吹雪」は、惜し気もなく風に散る桜の花びらを吹雪(ふぶき)に譬えた言葉で、「落花」の傍題。しきりに散っている桜は、その時、一切の執着を捨て去った放下の状態にあるようにも思える。
掲句は、花吹雪の行方を目で追っていてできた作品。落花の多くは水に落ちたり幹に当たったりして途中で飛翔を止めてしまうのだが、一部の落花は、どこまでも風に吹かれて飛んで行くのだった。ふと、この世とあの世の境を越えて吹かれていくひとひらの落花を想像した。平成18年作。『春霙』所収。
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