春の暮差し潮に浮く花も葉も

「春の暮」は、春の夕暮のことだが、春という季節の終わり(暮春)の気分もにじむ。いつまでも明るかった春の一日が今ようやく暮れようとしていることに、安堵感と一抹の名残り惜しさを感じる。

掲句は、句会が散会した後、軽い疲れを覚えながら、隅田川のほとりを暫く散策していてできた作品。海手の方に傾いた夕日は、相変わらず四辺を照らしていて沈む気配はない。東京湾から遡ってくる潮に揺らぎながらいつまでも明るい川面を眺めていると、川岸近い川面に花びらや葉が、吹き寄せられたようにかたまって漂っているのが目についた。上流の桜や常磐木が散らした花びらや葉が、ここまで流れてきているのだ。ここから上流の川堤には多くの桜が連なり、折々川風に残花を散らしているであろうことを想像してみた。平成23年作。


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